なぜ皮でなくて革なのか

ここ数年、皮革についての歴史など勉強してるのですが、時々インターネットで、『皮製品』『皮小物』『皮かばん』と言った記述が気になるようになりました。

まだまだ消費者おろか、革バッグなどを扱う業者でも皮革というものがどういったものか正しく知られていない現実があるんだなと認識しました。

趣味でレザークラフトを始められる方であれば本を買ってどこかの段階で『皮』と『革』の違いを理解する時が来るとは思いますが、業者の中でも右から左へ商品を流していくだけのビジネスではなかなかそんなことまで気にはしてないでしょう。

皮とは、主にコラーゲンというタンパク質繊維からなる真皮層の組織です。ただ、この組織はそのままでは腐敗したり、硬くなってしまい、製品素材としては使えないのです。
そのため、様々な方法で、「皮」を素材として使用できる「革」へと改質する作業が必要になります。その基本的な作業を『なめし』と言います。
『なめし』の方法は原始時代から様々な方法があみだされて現在にいたってます。
私はバリバリのレザークラフターではないので、ここでマニアックな話まではしませんが、「皮かばん」「皮小物」という記述は間違いと思って下さい^_^

簡単に言ったら、
「皮」=毛や肉片がまだついてる。腐る。
「革」=防腐処理や様々な加工をされて鞄や靴の素材となったもの

頭の片隅にでも入れておいてください^_^

forty thousand spirits

大阪で本革と帆布を使用したバッグ工房。サンプル師歴9年の経験を活かし、1人でデザインから製作まで一貫して行っております。 自己ブランドforty thousand spiritsはシンプルでありながらも、存在感のある商品づくりを心がけております。 2019年2月からバッグ縫製の請負職人としても活動を開始。現在メーカー2社と契約中(奈良、兵庫)

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