姫路のトップタンナーさん
2/7に兵庫県姫路市のタンナー山陽さんを訪問させていただきました。
この日は各地からレザーソムリエが集まり、革の本場の製造現場を見せていただきました。
始めに、冷蔵庫で塩漬けされた北米産の原皮を見せていただきました。これが【皮】です。ここから沢山の工程を経て【革】となっていきます。
冷蔵庫といえどこの臭いはなかなかなものでしたよ。【獣】でしたね。
この後にお弁当をいただくことになります。
しかし、昔は冷蔵庫もなく、野積み状態でハエ、ウジは普通の光景だったらしいです。
実際にクロム鞣しされた湿潤状態の革【ウェットブルー】も触ってきました。
こちらも原料の一形態として取り扱われております。ここで初めて革の良し悪しがわかります。キズ、トラ、虫食いなどが浮き出てきます。それを基に等級が決められ、靴、鞄、衣料等、各分野ごとに振り分けられます。
コスト削減の為、この【ウェットブルー】を材料として仕入れてから製造するタンナーさんもおられます。
ただ、仕入れ先でこの段階までに分割機にかけて、皮を所定の厚さに銀面(表面側)と床面(肉面側)の二層に分割します。
その為、スエード革となる材料の床面が無い状態で仕入れることになります。
なかなかスエードの革が出回らなくなったのはそういう経緯からのようです。
豆知識になればと^_^
タンニン鞣しのピット槽もしっかり撮影しました。ミモザなどから抽出したタンニンを主成分とする鞣し剤を使う古くからの方法もされています。主に、ヌメ革、クラフト革、底革などの製造に利用されています。
ピット槽は深さ3メートルあり、1槽で約80枚入るとか…
まだはまって溺れた人はいないとの事でした。
仕上げまで様々な工程があります。
大規模な設備でも必ず人の手が入らなければ高品質な革は作れないのがわかりました。
製造現場の方には頭が下がります…
0コメント